こんにちは、じゅんぞうです。
今回は、前回、前々回に引き続き、「一人飲み」についての解説をしていきます。
前々回は一人飲みの概論、前回は一人飲みの目的を話しました。
今回は、いよいよ、一人飲みのやりかた【実践編】です!
お店は基本自宅の近所で探す
一人飲みは、基本自宅の近くで行います。
自宅の近くのお店を狙う最も大きな理由は、「その店に入って飲もう、と思うハードルが最も低いから」です。
例えば会社の近くの店で一人飲みができるのは、基本的には会社に行く日だけでしょう。
休みの日にわざわざ電車に乗って、その店に行くなんて面倒です。
また、自分の家の近くであれば、もしお酒を飲み過ぎたときも、比較的安全に帰れます。
自分の家とは遠いところでお酒を飲み、高額なタクシーのお世話になったり、ホテルに泊まることになったり・・・と、もしかしたらあなたも経験されているかもしれません。
また、前回お話しした一人飲みの7つの目的も、家の近くの店なら全て満たせるでしょう。
(家から離れてしまうと、7の「地域との関わり」で得られる情報が薄くなってしまいます)
カウンターのある店を狙う
一人飲みですから、別にテーブル席を使う必要はありません。
カウンターのある店をおすすめします。
なぜなら、店主と話す機会が自然と増えるからです。
店主は経営者として一つの店を切り盛りしているのですから、相当のやり手です。
もちろん、料理の腕も確かでしょうし、お客様への対応も素晴らしいものでないと、店を維持することはできないでしょう。
食事をしながら、お酒を飲みながら、店主の動きを観察し、仲良くなってきたら店主からいろいろなことを教えてもらう。
これはテーブルではなかなかできないので、必ずカウンターを確保しましょう。
個人営業の店を選ぶ
個人で経営している店を選びましょう。
できることなら、経営者=マスター、大将である店がいいです。
実際に包丁を握るマスター、大将が、どのように店を切り盛りしているかはとても勉強になります。
個人営業の店は、チェーン店と違い、現在の1カ所がだめになったら全てが終わってしまうので、経営者は必死です。
営業、接客、味、清潔感など、全てを完璧にできるわけではないので、そこは試行錯誤し、どれを重視するかをうまく調整の上、店を維持しています。
個人営業で成り立っている店は、必ず店を維持できている理由があります。そこを探りましょう。
自分から積極的に話しかけない
積極的に「話しかける」ではないですよ。
ここはかなり大事です。
すぐに「話しかけない」こと!!!
その理由は・・・
とにかく話ばかりにかまけてしまうと、周りを観察する時間がなくなるのです。
一人飲みはリラックスできるし、基本楽しいものですが、勉強だというのは表面上だけ・・・というのではもったいない。
初めて行く店なら当然ですし、ふだん通い慣れた店になったとしても、最初はゆっくりとカウンターに座り、周りを見渡し、今日のおすすめメニューを見て、何を学べるかを考えてみましょう。
最初の情報収集は、その日の店の雰囲気を感じ取るところから始まります。
「でも、店主と話すのも重要なんじゃないの?」
あなたはもしかしたらそう思っているかもしれませんね。
そう、店主と話すことも大事です。
でも、ここが一人飲みの興味深いところ。
本当に優れた店主は、ベストなタイミングで、あなたに話しかけてくれるのです。
私は何件も馴染みの店を作りましたが、このことは例外なく共通していました。
例えば新しい店に一人飲みをしに行ったとしましょう。
店主は、大抵の場合、最初は話しかけてきません。
あなたは周りを見渡しながら、お酒を頼み、今日のおすすめを2品ほど頼みます。
酒が来たらお通しを食べながらちびちび。
料理が運ばれてきたら、料理の味をじっくり楽しみ、お酒をもう一杯。
もし店主が話しかけてくるとしたら、この頃でしょうか。
「お客さん、初めてですか?」
「今日はお仕事帰りですか?」
「お口に合いますか?」
このような質問を、そっと投げかけてきます。
あなたはそれについて、思ったことをそのまま返せばよいだけ。
そこから会話が続くこともあるし、最初はそれで終わることもある。
その程度です。
なぜこのあたりで店主が話しかけてくるかと言うと・・・
店主も、一人飲みをする人の気持ちが経験上分かっているからです。
また、一人飲みをしにきた人の動きは、優れた店主ならちゃんと見ています。
この人は放っておいてほしい人なのか、話しかけてもいい人なのか。
そういったことはちゃんと分かってくれます。
あまり分かってくれていないようであれば、その店は今後行くことを控えてもいいでしょう。
もしあなたがその店の店主が優れていると思えば、もう一度その店に行ってみるとよいです。
2度3度通っていくと、店主もあなたの顔を覚えてくれるときがやってきます。
入店と同時に軽い会話もするかもしれませんが、
基本あまり長話をしないはずです。
あなたは何度通っても、十分に観察する時間を取れるでしょう。
もしかしたら飲み屋の常連さんと言ったら、酔っ払いながら店主と話し続けるイメージがあるかもしれませんね。
でも、それは基本マナー違反です。
そういうのが好きな店主もいるかもしれませんが、一人のお客さんにつきっきりになると、普通は他のお客さんにそっぽを向かれます。
経営的な面をしっかり考えている店主であれば、適度な距離感を常に保つはずです。
あなたがすべきことは、こちらからもある程度の距離感を保ちつつ、店主と良好な関係を築き、気持ちのよい会話をぽつりぽつりと話せるようにすることです。
節度のある雰囲気をあなたから感じ取れれば、店主は必ずあなたを懇意にしてくれますよ。
無理をしない
酒の量、食事の量はほどほどに。
浴びるほど飲んで、たらふく食べて、帰れなくなったなんてことがあったら大変です。
また、あまり一度にお金を使いすぎると、長続きしなくなります。
個人差はありますが、酒は2杯まで、食事は3品までというのが適当かと思います。
それで3000円~4000円くらい。
滞在時間は、1時間半程度でしょうか。
通う頻度は、最初は2週間に1度程度。
顔を覚えてくれたら、月に1度程度でよいかと思います。
一人飲みは最高の学びの場!
飲み屋というのは、よく見ているととても面白い場所です。
テーブルの客は酔っ払い、自分の本性をさらけ出して好き勝手やっています。
カウンターのお一人様は、比較的節度を守りながら、自分のことを見つめ直しています。
カウンター奥の店主は、店の全ての人の動きを把握しながら、おいしい料理を作り、常連さんを作り、お金を稼いでいます。
あなたはここから何を学ぶでしょうか。
人それぞれ学ぶものは違うと思いますが、私はこれほどいい学びの場はそう多くはないと思います。
何と言っても、飲みながら学べますからね(笑)。
是非、あなたも恐れずに、一人飲みにチャレンジしてみてください!